◎キラーアビリティについて。馬場が乾けば土曜日ほど内が不利にならないと判断して内枠の馬に本命を打ったことがそもそも間違いだった。それを踏まえた上で振り返りたい。キラーアビリティは2走前の萩Sでもゲート内で気難しさを見せていたのに確認を怠ったせいでスタートに難はないと決めつけていた。さらに枠の並びにも注意が足りていなかった。先行経験馬に挟まれた枠は前が詰まりやすいリスクがある。実際隣のグランドラインはスタート直後内にもたれており、仮に出遅れていなかったとしても詰まるリスクは高かったはず。出遅れはイレギュラーで仕方ないように思えるがこの馬に関しては最悪のケースを想定できるだけの判断材料はちゃんと揃っていた。もっと細かいとこまで不安材料に目を向けて慎重に精査する必要があった。
皐月賞のベスト騎乗は福永騎手。スタートして福永騎手はまず何を考えていたか。それはダノンベルーガを外に出させないことである。1コーナーを迎えるまでに既にダノンベルーガの真横にピッタリとつけており道中はずっと並走する動きを見せた。ここでラッキーだったのがイクイノックスの位置取り。2コーナーでルメール騎手が捲ってジオグリフの前につけた。福永騎手からすればダノンベルーガを内に閉じ込めつつ前のイクイノックスをマークできる最高のポジションである。川田騎手が4コーナーで外に出すにはボーンディスウェイとビーアストニッシドより外を回さなければならない。しかし福永騎手がそれをさせてくれない位置にいる。川田騎手は内に進路を取るしか選択肢がなくこの時点でダノンベルーガの負けが確定した。川田騎手が内に進路を決めたとわかると福永騎手も外から進出開始。あとは前のイクイノックスについて行って直線勝負に持ち込むだけ。馬は前に目標を置いた方が伸びるためジオグリフに有利な展開となり、イクイノックスは内に切り込むロスもあってジオグリフの差し切り勝ちとなった。