土曜日のWASJ(10R・11R)は招待された外国人騎手の積極的な位置取りと早仕掛けの意識により、ペースが流れて差し馬の好走が目立った。しかしキーンランドCに参加する選抜の外国人騎手は5人中2人のみ。荒れた馬場と外国人騎手の参加人数を考慮すると、案外ペースは落ち着き、土曜日ほど差し一辺倒の展開にはならないのではないかと想定した。
それでも多数派の意識は外差しに大きく傾いていたので、他者と差をつけるならあまり注目されていない内空け馬場に意識を向けるべきだと考えた。
内を空けるレースは荒れた内を避けようとする騎手意識により発生する。しかし外過ぎると距離ロスが大きくなり、かえって届かないリスクが生じる。ルメール騎手が内空け馬場を得意とする理由はただ馬場の良い外に持ち出そうとするのではなく、馬場と距離ロスの両方を加味して相対的に恵まれる進路を選んでくれるから。結果、多くの騎手が外に進路を求める中、ルメール騎手は内を空けつつも馬群の内目を立ち回ることで距離ロスをカバーした。
ヴェントヴォーチェに関して、前走は馬群が捌けず詰まる不利があった。延長ローテを不安視する声がいくつか見受けられたが、1000mのペースを全力で走り切ったわけではないため、実質的な延長ローテ不利にはならないと判断した。
【次走注目馬】
外を回した馬は等しく距離ロスの不利を受けているが、中でもメイショウミモザは差しを苦手とする丹内騎手の騎乗によりさらにパフォーマンスを落とした可能性がある。能力以外の敗因要素が大きいので馬は見直しが可能。